元ハルヒラ 『虎穴ダイニング』
- 作者: 元ハルヒラ
- 出版社/メーカー: フランス書院
- 発売日: 2012/06/26
- メディア: コミック
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ルームシェアの相手・日向さんは、頭部が虎で尻尾まで生えている自称覆面レスラー。「マスクです」と言い張るが、どう見ても素顔。そんな不思議な会社員日向さんとホストのアカルの同居生活が描かれます。
頭部まるごとリアル路線な虎な男が攻め、という本作。彼が「覆面レスラーやってるから」の一言で済まそうとする冒頭の1ページ目、笑いました。面白すぎ。いやいやいや、可笑しいでしょその言い分は!マスクってレベルじゃないwと読者の誰もがつっこんだと思いますが、主人公のアカルは
「あ、すみません。プロレス詳しくなくて…」
と返します。そうじゃないだろ!と思わず主人公にもつっこみたくなりました。いやー、作家さんの掌の上で読者は転がされてしまう作品でしたw
攻めの日向さんみたいな容姿の人が現代日本にいたら大騒ぎになっているはずですが、作中では主人公はもちろん、近隣住民も職場の人も道行く人も日向さんの虎頭を認識はしているものの、ヒステリックに騒ぎ立てたりせず受け入れています。この緩い感じの世界観は、ふんわりした絵柄とも相まって作品の雰囲気に合っていました。
もちろん「絶対おかしいよ」と叫ぶ常識人なキャラが出てきて緊張感をもたらす展開もあります。また、虎頭に関する事情を知っていそうな鳴賀というキャラクターも登場しており、いよいよ日向さんの謎に迫るのか?日向さんは夢の中だけでなく現実でも素顔に戻れるのか?と面白い展開になりつつあったんですが、その辺りははっきり描かれない形で本書は終わっています。
二人の恋愛模様も、両想いにはなったものの最後まではできていません。
全一巻で完結、というのでもそこまでヘンじゃないけれど、もうちょっと虎頭についても恋愛についても進んだ状況を見てみたかったなぁと思っていたところ、数日前に2巻目が今月中に発売されると知りました。続いていたんですね~。2巻目では謎も解明されるんでしょうか。気になります。
それにしても日向さん、萌えるキャラですよね。ごつくて体格も良いし、虎耳をへたらせたり尻尾をブンブン振ったりなど仕草が可愛いです。そしてなにより、虎の顔なのに喜怒哀楽の表情豊かなんですよ。黄昏ている顔、困惑している顔、真剣に考え込んでいる顔などきちんと描き分けられているんですからこれは本当に作家さんが凄いと思います。
ケモミミ萌えの方は楽しめるのではないでしょうか。