sorachinoのブログ

BLやラノベ、少女漫画、ロマンス小説、ミステリ小説、アニメ、ドラマ等のジャンルごった煮読書感想ブログ。お気に入り作品には★タグをつけています。ネタバレ多数、ご注意ください。コメント大歓迎です。不定期更新。

2014-01-01から1年間の記事一覧

剛しいら 『月の秘密』『星の秘密』

吸血鬼シリーズ3部作の1冊目『月の秘密』と、3冊目『星の秘密』を読みました。1冊目の『月の秘密』の方が、キャラクターもストーリーも好きでしたね。 主人公の吸血鬼である巴の設定が面白いのです。ワイルド系な男性が好みのゲイなのに食欲がわくのは女…

石原理 『犬の王 GOD OF DOG』 1〜2

時折、映画みたいに印象的で格好良いワンシーンが出てくるんですよ。中華マフィアの隠し子の少年月小牧(ユエシャム)の前に、迎えに来た組織のお目付け役一法(イーファ)が初めて現れるシーン(1巻の71ページ)とか、コーキの元上司クインシーが監視対…

志水ゆき 『レシピ』

攻めのカイヤが、策謀を巡らせて着々と受けの洸を追い詰めていく描写がゾクゾクしました。面白かったです。このお話の攻めはなかなか凄いキャラなので、とても怖いです。一見優しくて綺麗なお兄さんなのですが、腹の中は真っ黒。自分だって洸が好きなくせに…

凪良ゆう 『まばたきを三回』

田舎町の陶器職人×幼少期に東京から村へ療養に来ていた同級生のお話。恋人であった受けの訃報を告げられ絶望と孤独の日々を過ごしていた攻めの前に、幽霊になったという受けが現れます。受けの姿を見れるのは攻めだけ、けれど姿は見えても体に触れることはで…

いもあん 『雨降らしの森〜この世界で貴方と〜』 全2巻

異世界トリップファンタジーのBL漫画です。 現代日本人の中年男性がある日突然招かれた異世界の風物が面白いです。作家さんが愛情をも持ってその作品世界の設定を色々と作りこんだというのが伝わってくるんですよ。きっと設定作るの楽しかったんだろうな。…

今市子 『萌えの死角』2

BLに関して著者が見聞きした経験や萌えについてなどが大部分を占めています。ですが、個人的にはBL部分についてよりも登山について描かれていた部分の方が面白かったです。そういえば今さんのBL漫画『楽園まであともうちょっと』でもあとがきで山登り…

藤たまき 『私小説』

この漫画は、文章という世界で垣間見えた人の側面に感動した、そんな藤さんの経験が描かせたお話だそうです。書くことの快楽を語る教師が登場するのですが、非常に共感できる台詞を言っていました。「一見つまらなく見えるかもしれないけど……。文字を書くと…

藤たまき 『銀のバッチ』『約束』

この作品の何が圧巻かって、リリカルなモノローグの凄さ。キャラクターたちの繊細な心の動きを丹念にたどっており、とても引き込まれます。読んでいるとちょっと気恥ずかしくなるくらいの言い回しが多いのですが、きっとハマる人はハマると思います。基本、…

秀良子 『年々彩々』

私は『小向家の事情』が一番好みでした。男子小学生が自分の家庭の特異性に悶々とする話なのですが、淡々とした中にも味わい深さがあります。世の中、こんな形の家族もいるかもなーとなんとなく思いました。

穂積 『さよならソルシエ』 全2巻

後に炎の画家として名を残すフィンセント・ゴッホ、その弟テオ。画商であるテオを主人公に1885年に始まるパリ画壇界の物語です。絵も綺麗ですし、表紙もインパクトがあってつい手に取りたくなりますし、各見せ場もきっちり演出されており、新人ながら、まる…

よしながふみ 『きのう何食べた?』 8巻

59話の京都旅行話が印象深いですね。本シリーズはキャラクター達の手作り料理がメインとしていつも出てきますが、この59話は異色です。なんと京都に実在するお店のグルメ漫画になっているのです。短いページ数ながらテンポ良くこんなに京都旅情を盛り込める…

よしながふみ 『きのう何食べた?』 1〜7巻

弁護士と美容師の40代の同居カップル。日々の食事作りを軸に、彼らの日常生活を描いていく料理漫画です。自分で料理をするようになってみると無性にこの作品を読みたくなりました。私はシロさんの買い物エピソードが好きで、 >> 買い物は狩猟(ハンティング…

あそう瑞穂 『薔薇色エンペラー』

この単行本には『キスしてMASTER』という短篇漫画も収録されています。本当はメイド型アンドロイドを注文したつもりだったのに、間違えてヒモ型アンドロイドを注文してしまった日本史教師と、ヒモ型アンドロイドのお話。表題作の『薔薇色エンペラー』…

ヨネダコウ 『どうしても触れたくない』『それでも、やさしい恋をする』

どちらかといえば私は『それでも、やさしい恋をする』の方がより好みでした。派手な事件は起こらなくても、描写が繊細なのでとても読ませるんですよ。 先に相手に恋をしたのは受けなのですが、彼の片思いが健気で泣かせます。受けはモテるタイプで恋愛事の経…

椹野道流 『くろねこ屋歳時記 壱の巻』

素敵な庭のある洋館で営業しているカフェが舞台と聞いて買ってみました。飲食店にまつわるお話ってBLに限らず大好きなので、つい手に取ってしまいます。オーナー、従業員、そして常連客などカフェに関する人々の恋模様を描く群像劇で、一話ごとに主人公が…

長野まゆみ 『東京少年』

入り組んだ家族関係の中で、周囲の大人たちが嘘も交えつつ小出しにヒントを出していき、徐々に主人公の出生の秘密が明かされていく。そういう展開は長野作品にありがちだけれども、やはりちょっとした謎解きをしながら読み進めるというのは楽しいものです。…

真瀬もと 『薔薇の密書 アヴァンチュール1606』

謎めいた黒衣の代訴人ダニエル・ロシェが凄かった。彼はヴァチカンの依頼を受けて水面下で動き回り表舞台には立たない人物なのですが、自身の仕事を果たすために主人公の16歳の少女にもあまり容赦しないところが良いです。慇懃なのにやることは結構えげつな…

マヤ・バンクス 『ハイランドの美しき花嫁』

ハイランドの美しき花嫁 [ マヤ・バンクス ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 小説・エッセイ > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 987円楽天で詳細を見る舞台は12世紀の中世スコットランド、デヴィッド1世の時代。ヒーローのユアンはマケイブという氏族(…

一穂ミチ 『アロー』

舞台は受けが一人でマイペースに切り盛りしている場末のバー。そこへ中学時代の同級生である攻めがやってきて、飲んだくれたのをきっかけにバーの上階に住む受けの元に身を寄せることとに……、という設定に心惹かれて手に取りました。同居する二人の細やかな…

サクラサクヤ 『お稲荷さまのハニーバニー』 全3巻

人間に化けて男子高校生として暮らす野ウサギが主人公の作品。主人公の肉厚なウサミミにときめいて以来単行本で集めていました。 単に狐耳とウサミミのキャラがいちゃいちゃして終わるのではなく、もっとスケールの大きな話へと持っていこうとした点に作家さ…

イシノアヤ 『椿びより』

主人公と平岩父娘はまるで家族のように時間を過ごすようになるのですが、父娘の椿くんの受け入れっぷりも少し浮世離れしていて興味深い。椿くんの平岩への恋心は芽吹きつつあるものの、二人の関係は結局恋愛未満で終わっているので恋人同士という訳でもない…

トウテムポール 『東京心中』 全2巻

長身の年下ワンコ攻めが、上司のディレクターに懐いて恋して告白して押し倒して振られてもめげずに何度もアタック、ついに受けも絆されて……というお話でした。受けに振り回されつつ、恋に身悶えジタバタする攻めの姿が可愛らしく描かれており、ヘタレ攻め好…

水上シン 『利火羅』

『利火羅』は、短編ながら“蛮族”の捕虜、簒奪、父子間の対立、正室腹と側室腹の異母兄弟の確執など、ドラマチックなエピソードが多く詰め込まれています。一冊くらいかけて丁寧にストーリーを描いて欲しかったと思わないでもないのですが、短編だからこそ怒…

かまたきみこ 『KATANA 1 襲刀』

KATANA (1) 襲刀作者: かまたきみこ出版社/メーカー: ぶんか社発売日: 2006/10/17メディア: コミック購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (18件) を見る家業は刀鍛冶、祖父は人間国宝の刀匠、という家に生まれた男子高校生が主人公の物語です。作…

えすとえむ 『やがて、藍になる』

藍染職人同士という珍しいお話でした。よくこんな渋い題材に目をつけたなと思ったら、後書きによれば作者の母親が染色家で幼少時より染めることは身近だったそうな。藍染工房へ取材にも行ってこの作品を描いたそうです。 >> じいちゃんの手は、しわというし…

大和名瀬 『最恐教師 〜教師もいろいろあるわけで〜』

攻めのキャラが良くも悪くも独特です。喜怒哀楽を怒で表すことが多い性質なので、口説いてるときもムラムラしてるときもガンを飛ばしてるような顔ばかり。しかも、過去、相当やんちゃをしていたため体に結構切り傷があるという秘密持ち。一見小学校の先生に…

富士山ひょうた 『その手の熱を重ねて』 全2巻

イタリアンシェフ×若手陶芸家。料理人と常連客というところからスタートし、2巻かけてゆっくり進展させていく恋のお話でした。もともと受けも攻めも自認はへテロだったのに、時間はかかっても自分の気持ちに気付いてからは案外相手に素直になれています。そ…

峰島なわこ 『海とヘビースモーカー』

故郷から逃げるように上京してきた若い主人公の元に、幼馴染が転がり込んできて、その後ひょんなことから二人で地元へ帰省することになる『蜜柑の海』が一番好みでした。明るくて元気な受けと男前だけど無口な攻めという組み合わせは良いし、攻めが蜜柑農家…

夜光花 『ミステリー作家串田寥生の考察』

ミステリ作家×担当編集。一緒に取材で訪れた瀬戸内海の小さな離島で物語は進んでいきます。島への船は高松港から一日一便のみ、人口は200人未満、過疎化が進み観光客もめったに訪れないその女凪島では、ちょうど7年ぶりに神鎮祭が行われようとしていました…