sorachinoのブログ

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よしながふみ 『きのう何食べた?』 1〜7巻

きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

メインキャラクターは弁護士と美容師の40代の同居カップル。日々の食事作りを軸に、彼らの日常生活を描いていく料理漫画です。このシリーズは今年の8月に9巻の発売が予定されており、現在は8巻まで刊行済。エントリ上部には1巻のみリンクを張っていますが、私は7巻まで読了しています。

この本に出てくる料理は、飲食店でお客に出すプロのお皿ではなくて、一般家庭のごはんです。だからとても親しみやすい。使う食材も近所のスーパーで揃うようなものばかりで、「サッポロ一番みそラーメン」「ミツカンのドレッシングビネガー」など幅広く知られている商品名もさらっと出てきたりします。自分でも作ってみようかというやる気が沸き起こりますし、なんだか読んでいると自分が主人公のお宅に招かれてご相伴に預かっているかのような錯覚までおぼえたりします。

我が家に比べると、主人公の家の食卓は梅干しとじゃこ、冷奴の登場頻度が結構多いなぁと感じました。ウチも豆腐は好きでよく食べますが、あまり冷奴という食べ方はせず、じゃこと梅干しに至ってはまったく出ません。あと、白だしも使ってないんですが、この本を読んだら白だしはあると便利そうだなと思うようになりました。梅の叩きやワサビと梅のソースとかも美味しそうだったし、もっとウチも使っていこうかなー。

実は1巻発売当初に購入して読んでいたのですが、私、その時は調理シーンが多くてつまらないという感想を抱いておりました。当時は自分で料理をしなかったので興味を持てなかったんですよね。だから1巻は買ったものの、その後は特にこの作品は追いかけてはいませんでした。ところがそれから数年経ち、自分で料理をするようになってみると無性にこの作品を読みたくなりました。2〜7巻を一気読みしたのはつい最近のことです。

今、いつになく料理熱に目覚めています。6巻43話のピーマンの焼きびたし、7巻49話のブロッコリーとあさりのペペロンチーノ、3巻21話のキャベツとあさりとベーコンの蒸し煮、7巻52話のかぶとベーコンの豆乳スープ、4巻29話の長ネギのコンソメ煮、6巻46話のきゅうりのピリ辛漬け、あたりは真似して作ってみたいです。
主人公であるシロさんのマメさも見習いたいな。働いているのに、野菜たっぷりの一汁三菜を毎日しっかり作れる人だなんて尊敬しちゃいますよ。料理上手は買い物上手を地でいくキャラクターで、安く、かつ無駄なく食材を使い切るために賢い買い物もできちゃうのが凄い。

私はシロさんの買い物エピソードが好きで、

買い物は狩猟(ハンティング)に似ている

というナレーションから始まる3巻22話がお気に入りです。シロさんが「あ〜 ドーパミン出てる〜 テンション上がる〜!!」と内心大興奮しながら(でも顔はポーカーフェイス)スーパーで食材を買い込み、一方でシロさんの恋人であるケンジが職場の美容院で新しい指名客をゲットする、というただそれだけを描写した話なんですが、なんとも言えず面白いんですよ。
あと、無愛想だけど仕事の出来るスーパーのレジ打ちの女性とシロさんの交流を描く5巻35話も好きです。思わずニヤッとしてしまいました。

弁護士絡みのエピソードだと、裁判員裁判に携わる破目になる5巻40話がいろいろと業界裏話的なものが入っていて興味深かったです。弁護士にとってはスケジュール的に負担が大きくて裁判員裁判はあまりやりたくないものなのだとか、裁判員裁判の研修を受けている弁護士はA名簿に、受けていない弁護士はB名簿に登録されているのだとか、裁判員裁判をやることになって「研修なんてろくに聞いてなかったから日弁連のeラーニングで勉強しなおさなきゃな…」とボヤく弁護士とか、へーそうなんだーと思いながら読んでいました。ちなみに、こんな(↓)台詞もありましたが、

「検察なんてズルいんだよ!! 何年も前から裁判員裁判に備えて司法修習性の中でも顔のいいコばっかり引き抜いてってビューティー軍団作ってるってウワサがあるんだから!!」

裁判員裁判ってホントに見た目の印象大事なんだもん!」

ホントのとこ、どうなんでしょ(笑)? 

それにしても、色っぽい描写はほぼ無いとはいえ、ゲイが主役で二丁目のゲイコミュニティに顔を出す場面も結構ある本作が青年誌で掲載されているというのは画期的で面白いですよね。モーニング編集部、思い切ったなぁ。

この漫画には長く続いて欲しいと読んでいてしみじみ思いました。2007年の連載開始以降、作中でも時間は進みシロさんとケンジは年齢を重ねていますし、2009年に施行された裁判員裁判の話も挿入されている様子などを見ると、彼らが私達読者と同じ現代日本社会を生きているんだなという気がしてくるんですよね。2人の人生をずっと見守っていたいという気持ちになります。それで、いつか日本で同性婚が合法化されたら、作中で婚姻届を出して正式に結婚する二人の姿を見たい。


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余談

時間があったのでピーマンとバナナケーキのレシピを書き出してみました。近いうちに作るぞ。

ピーマンの焼きびたし(6巻43話)
  1. ピーマンを半割りにして種を抜く
  2. オーブントースターで240℃で7〜8分焼く。アルミホイルを敷く場合は油を塗るとくっつかない
  3. しょうがのすりおろし少々+白だし適宜+水で割った出汁に一晩つける
  4. 翌日、味が染み込んだら汁気を切っておかかをまぶす
バナナパウンドケーキ(5巻)
  1. 100gのバターをレンジで柔らかくする。絶対ドロドロに溶かさず指がめり込む程度に。
  2. 柔らかくなったバターと砂糖70グラムをボウルで白っぽくなるまで泡立て器でよく混ぜる。
  3. ボウルに溶き卵2個を少しずつ入れてさらによく混ぜる
  4. オーブンを180度に余熱開始
  5. 水分が出ないようフォークでバナナ小さ目3本をつぶす
  6. つぶしたバナナをボウルに入れ、卵、バター、砂糖とゴムベラでざっくり混ぜ合わせる
  7. ホットケーキミックス150グラムをボウルに投入し、さらに混ぜ合わせる
  8. 2本の18cm×6cm×高さ6cmのパウンド型に流しいれる
  9. 180度で40分焼く。20〜30分経って表面が焦げそうだったらその後は170度に温度を下げて焼く。
  10. 40分経ったら一度竹串を挿して焼き上がりを確認。串に生地がくっつかなければOK。
  11. オーブンから出して余熱をとる
  12. 完全に冷めたら乾燥を防ぐためアルミホイルに包んで出来上がり。

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