sorachinoのブログ

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神楽坂はん子 『喪服のディナーパーティ』


潮の満ち干きのため一日二回だけ本土とつながる孤島が舞台。兄の死の真相を探りに行った受けが、孤島の洋館の主人でミステリアスな攻めに出会う……というお話です。離島、豪華で陰鬱な洋館、美しい双子の姉弟と、ミステリ要素の絡んだお話としてツボを押さえた要素がちりばめられた作品でした。装丁もどこかクラシカルで素敵なものだし、白黒がくっきりとしている背景も凝っています。作品に漂う雰囲気は良いなぁと思いました。ただ、受けはちょっと流されすぎな気がしないでもない。始めての夜とか無理やりですし攻めに結構酷い扱いを受けてるのに、こんなに流されちゃって大丈夫??と心配になってしまった。でも、そんな受けも終盤あたりは芯の強さを見せていて、過去に囚われた攻めを諭し救い出そうとします。話もうまくまとまっており、ラストは良いところに着地したなと思いました。
ところで、神楽坂はん子というペンネームについて、ご本人は、

まさかこの名前で商業誌の仕事をするように、それもコミックスを出してもらうようにまでなるとはこの時想像だにできず…。こんなことならもっと普通の名前つけておくんだったと激しく後悔しております。いいきっかけさえあればいつでも変えたいです。本気で。

という考えらしいですね。それはそうだろうなー。「ゲイシャ・ワルツ」で有名な歌手から取ったそうですが、まったく変えずにそのものズバリ同姓同名だもんなぁ。せめて表記をもじっていればまだなんとかなったのでしょうが……。せっかく味のある作品描く作家さんなんですから、別にきっかけを待たなくても早く変えた方がいいのでは?と思いました。まあ、一旦その名前で商業デビューしちゃったら変えるのは難しいのだろうけれど。