sorachinoのブログ

BLやラノベ、少女漫画、ロマンス小説、ミステリ小説、アニメ、ドラマ等のジャンルごった煮読書感想ブログ。お気に入り作品には★タグをつけています。ネタバレ多数、ご注意ください。コメント大歓迎です。不定期更新。

麻生みこと 『路地恋花』

路地恋花 1 (アフタヌーンKC)

路地恋花 1 (アフタヌーンKC)

  • 製本職人の恋 『綴』
  • 銀細工職人の恋 『MONO CHROME』
  • 画家の恋 『タツミアツロウ』
  • 小説家の恋 『夏菊』
  • キャンドル作家の恋 『カンテラ


という5作品が収録されたオムニバスです。「ろぉじコイバナ」と読むらしい。少女漫画かと思いきや、青年誌に掲載されていた漫画とのこと。

京都の長屋に集まったものづくりをする人たちの恋物語だなんて、グッとくる設定だなぁと思って買いました。紙フェチの手作り本工房店主、銀細工職人でショップオーナーなどがこの本には出てきます。彼らの生活は「ギッリギリ」とか「カツカツ」だそうですが、自分の好きなことを仕事にして食べているというのはちょっと羨ましいです。

印象深かったのは、3話目の画家の恋を描いた『タツミアツロウ』でした。彼らのその後が知りたいです。果たして巽と雛子は再会できたのか。私はハッピーエンド好きなので無事再会して画家とそのマネージャー兼人生のパートナーとして生きていく二人であってほしいと思いますが、どうだろうなー、これは結ばれない悲恋エンドなのかなー。

私は誰にもなられへん 才能をぶつけ合えるカミーユにも 聖母となって君臨するガラにも 愚直に信じ続けるテオにも

哀れなほど平凡な私

と嘆く雛子は、ロダンにとってのカミーユ、ダリにとってのガラ、ゴッホにとってのテオとは違うやり方で、愛する芸術家に献身しようとします。でもさ、自分が離れれば相手は狂気を抱えるだろうと確信して行動するって、嘆いているわりに雛子って実はかなり自信家なんでは(笑)? めでたくミューズとなった結果を見るにそれは間違っていないようでしたが。ちなみに嘆いているときでさえ、私は彼女が順調にガラルートを歩んでいるように見えたので、それに近い形で寄り添っていって欲しいなと思うんですけどね。どうかなー。ストーリーを考えると離れることこそ雛子独自の道だしなー。うーん。

ところで個人的な好みを言えば、男性キャラの体はもうちょっと肉感的というか厚みがある絵の方が良かったなぁと思います。線の細い絵柄は、特に清涼感漂わせる麻美など女性キャラには合ってたんですけれどね。