読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

sorachinoのブログ

BLやラノベ、少女漫画、ロマンス小説等の読書感想ブログ。お気に入り作品には★タグをつけています。どちらかと言うと新刊より古い作品に言及することが多いかも。ネタバレ多数。コメント大歓迎です。

トジツキハジメ 『蝶尾』

蝶尾 (GUSH COMICS)

 単行本のカバーの絵が大変美しかったので買ってみました。
 『蝶尾』『ロザリオス』『アトリエ』『The day was not fine』『ウサマン』の5作品が収録された短編集です。特に前者2作が印象に残りました。

 表題作『蝶尾』について。繰り返しになりますが、カバー絵、すごく良いですよね! 差し込んだ夏の日が微妙な陰影を作り出す日本家屋、漂う空気はどこか気だるげで、男と、和装の青年と、そして金魚鉢。本編もこのカバー絵通りの静謐な雰囲気が溢れていました。
 幻想文学の小説家とまるで蝶のような尾を持つ美しい金魚のお話です。金魚の蝶尾は小説家が想いを寄せる文学誌の編集者にそっくりな顔の青年の姿で現れ、小説家の家で一緒に暮らしています。来客のためにお茶を用意したり、買い物に行ったり、まるで夫に寄り添う淑やかな妻のように。蝶尾が健気で可愛いです。今後も小説家と彼を慕う蝶尾は、外界の喧騒とは隔絶された緑豊かな日本家屋の中でひっそりと時間を過ごしていくのでしょう。
 ところで、私は最初蝶尾は小説家の妄想の産物というオチになるのかと思っていました。けれど植木屋の前にも現れているので他の人にも見える存在のようですね。植木屋が見た蝶尾の顔立ちはどんなものだったのか気になります。小説家が見ていた顔(=編集者そっくり)とは異なっていて、植木屋自身の理想の美男に見えたのでしょうか。

 
 『ロザリオス』について。同じ日に洗礼を受けた二人の少年の10年間のお話です。お互いへの気持ちはあるはずなのに、道を違えていく幼馴染。ハッピーエンドではないし切ないエンドなのですが、語りすぎない淡々とした展開で良い作品だなと思いました。
 しかし、読んでいて気になった点があります。それは主人公が神父の息子であること。神父って妻帯不可だから子供はいないはず。妻帯可能なプロテスタントの牧師とすべきところを神父と間違えたのか?とも思いましたが、作品の重要なモチーフになっているロザリオは基本カトリック信仰で使われるものですから、カトリックであれば神父のはずです。いや、でも教会の一番大きな十字架にキリストが磔られていない点はプロテスタントっぽいな。うーん、よくわからないです。作品の中でカトリックプロテスタントの特徴が混合して描かれているのは間違えたからなのか意図的なのか、どっちなんでしょうね?


『アトリエ』は美術専門学校講師とその美専の学生のお話。若者が直球で可愛いです。

『The day was not fine』は大学生同士でかくれんぼをする話。美坊主とは珍しい。

『ウサマン』はBL漫画ではなくトジツキさんが飼っているウサギの動物エッセイ漫画でした。


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ
にほんブログ村