sorachinoのブログ

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アニメ 『昭和元禄落語心中』 第1~4話

年明け以降、深夜アニメにハマってすっかりブログの更新が途絶えてしまっておりました。ぼちぼち再開したいと思います。

ちなみに、ハマっていた深夜アニメというのは『僕だけがいない街』と『昭和元禄落語心中』です。どちらも大変面白くて、放映中の3ヶ月間は非常に楽しませてもらいました。ちょっと寝不足にもなりました(笑)。

小中学生の頃はアニメ大好き人間だったのですが、大人になってからこんなにアニメにハマるのは初めてです。今はTwitter2CHなどでの実況、国内外の視聴者によるアニメ視聴のリアクション動画、レビューブログなど、他の人の反応も知る手段がたくさんあって、自分がアニメを観て楽しむ以外にも楽しみ方が多くて良いですね。

それにしても、雲田はるこさんの漫画を原作とする『昭和元禄落語心中』の地上波でのアニメ化は、1巻発売当初から漫画を買い続けてきて全巻揃えている原作ファンとしては本当に嬉しかったし、感慨深いです。

第一話から最終話までアニメは全話観ましたので、以下に各話の感想を書いていきたいと思います。長くなってしまったので、今回は第4話まで。


第1話

与太郎の八雲師匠への弟子入り回。

アニメの中で落語をやるシーンが予想以上にしっかりあったのが嬉しい驚きでした。やっぱり落語は「声」がつくと俄然生きるなぁと与太郎が花色木綿をやる場面を観ながらしみじみ実感。正直なところ原作漫画だと落語の台詞は流し読みしてしまうこともあったのですが、耳から入ってくる情報というものはなかなかに大きくて、今回のアニメ化で落語の話の中身が頭の中に断然入ってくるようになり、作中で語られる落語自体の面白さも味わうことができるようになりました。花色木綿、古いお話ながらも良くできたコメディですね。演じた与太郎役の声優さんもお見事。

あと、作中の季節感もアニメ化によってより一層鮮やかに感じられるようになった部分だと思います。冒頭の出所する与太郎の頭上に舞い散る桜、八雲師匠が破門を言い渡すシーンの激しい吹雪など。やっぱりカラーとアニメーションの動きの効果は大きいですよね。

第1話は1時間ということで、普通の30分の放送枠の2倍になっているのですが、それでも原作の様々なシーンが端折られているのは原作ファンとしては悔しいと思いましたね。萬月兄さんとか出てほしかった。

YOUTUBEで公開されていた

月刊 熱量と文字数 2016/1/21 テーマ:『昭和元禄落語心中』
という動画を見ていたら、落語家さんと司会役の方が第1話の与太郎が八雲師匠の口座の最中にいびきをかいて寝てしまうシーンに言及していました。「これは現実である話だな」とか、「もうね、翌日の楽屋が騒然。落語家があれ胃が痛い痛いって」とか言っていて笑えます。

第2話

八雲師匠の幼少時からの過去編スタート回。

7代目八雲師匠の声が深くて温かみのある美声で素敵。家中宏さんという声優さんだとか。声優に関しては林原めぐみさんくらいしか知らない程度に無知な人間ですが、このアニメの声優さんのレベルが全体的に高いというのは素人ながらわかる気がします。実際ベテラン勢がキャスティングされているそうですね。

2話後半には菊比古(後の八代目八雲)と初太郎(後の助六)の初高座の様子が描かれており、これは原作にはないアニメオリジナル展開です。菊比古の拙い芸に冷え切った寄席の様子がよく伝わってきて、しかもそのシーンが結構長くて(個人的には、もうちょっと短くても良かった)、観てるこっちがいたたまれない気分に。初太郎が「やっと笑ったな。言ったろ?まず、笑わにゃって」と言うラストは、初太郎の格好良さを印象付ける良いシーンですね。

時そば」というタイトルは聞いたことがあったけれど、噺の内容はこのアニメで初めて知りました。面白いですね。ループオチも笑えます。

第3話

 菊比古(八代目八雲)の青年期に戦争が影を落とす回。話の筋はほぼ原作通り。

気が滅入ることがあると、いつの間にか口の中で落語を唱えておりました。

と閉め切った障子を背景に正座する菊さんの姿が美しくて私は満足です。

第4話

菊比古がみよ吉と出会う回。

菊比古がアルバイトをしている店がある銀座から寄席がある上野まで菊比古と助六が軽口を叩きながら歩いていくシーンがあるのですが、ここ凄く良かったです。原作でも好きな場面ですが、アニメは道中の風景をしっかり描いてくれているのでとても臨場感があります。夜なので抑えた色調で彩られた戦後の昭和の風情ある景色が良いんですよ。当時の都内を体験しているわけでもないのにノスタルジーを感じてしまいます。こういうディテールが描き込まれるのはアニメ化の嬉しい点ですね。

ディテールと言えば、菊比古の借家の火鉢に置かれている鉄瓶は、作画が精緻で油絵のような荘重な雰囲気を醸し出していて美しかったです。こういう、妙に金属類の小道具の背景美術に凝っている様子が多々見受けられるのが、このアニメの面白いところです。



第5話以降については、また後日。