sorachinoのブログ

BLやラノベ、少女漫画、ロマンス小説、ミステリ小説、アニメ、ドラマ等のジャンルごった煮読書感想ブログ。お気に入り作品には★タグをつけています。ネタバレ多数、ご注意ください。コメント大歓迎です。不定期更新。

桜木知沙子 『兄弟にはなれない』

兄弟にはなれない (キャラ文庫)

兄弟にはなれない (キャラ文庫)

親同士の再婚によって義理の兄弟になった二人のお話です。
漫画家(23)×歯科医療器材の販売会社勤務の会社員(27)。主人公は受け。


札幌が舞台。主人公はススキノに行きつけのゲイバーがあり、マスターや常連客と親しく会話をする場面が何度も出てきました。

実はそのバーの場面を読んでいて少し羨ましくなりましたよ。会社帰りに一人でフラッと寄れる飲食店があるのはなんだか良いですよね。個人的には揚げだし豆腐が美味しい小料理屋さんの常連になって、気楽にお店の人や常連同士で話してみたいです。家族でもなく職場の同僚でもなく学生時代の友人でもない飲食店繋がりのコミュニティに参加するのは、日々の生活に潤いが出そうで憧れます。

もちろん主人公にとってはゲイコミュニティに繋がれるので、単なるお気に入りの飲食店という枠を超えて重みを持つ場なのでしょうが。受けはその店で初めて攻めに出会います。

お互い社会人になってから戸籍上の兄弟になり、一つ屋根の下で暮らすことになった受けと攻め。生い立ちのせいか二人とも家族思いな点が共通しており、同居生活の中で仲を深めていきます。
受けも攻めも初対面の時から惹かれあっていることは読者にわかるように書かれているので、お互いの気持ちを素直に打ち明け合えばすんなりまとまりそうだなぁと思いながら読んでいました。攻めがぶっきらぼうな元ヘテロなのに、受けに対しては結構積極的で、応援したくなりましたよ。

それにしても、やっぱり大人になってから親の再婚相手の家族と一緒に暮らすのは気を遣いまくりで結構きつい気がするんだけど、それをお願いするお義母さん、相当なチャレンジャーだなぁ……。受けと攻めはカップルになった後に、実家に戻り他の家族とも共に暮らす選択をしました。いずれ実家に戻ることはあっても、ある程度は二人っきりで暮らしても良いんじゃないかとも思いますが、彼らはあえてそういう選択をしたんですよね。「家族」というものがとても大きな意味を持つ作品でした。


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