sorachinoのブログ

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志麻友紀 『天狐来々』

天狐来々 (f-Clan文庫)

天狐来々 (f-Clan文庫)

中華風ファンタジーのライトノベルでした。主人公は天帝の甥で半神半人の青年。数多の男たちを惑わした傾国の美女に化けられる九尾の天狐を相棒に、漁色に溺れる皇帝の心根を入れ替えさせようと地上に下るのですが、やがて天界を揺るがす陰謀に巻き込まれ……、というストーリー。

ライトなノリなのでさらっと軽く読めます。人間として生きていた千年余りの間ありとあらゆる職業についた経験があるため、神界で生きるようになってからも事あるごとに昔取った杵柄を披露してしまう、という主人公の行動パターンはユニークでした。

ただ、悪役があまりに小者っぽくて魅力を感じられず主人公側も強すぎるのでハラハラせずに読み終えてしまい、ちょっと印象の薄い本だったな、というのが正直なところでした。

あとがきでは続編の可能性を仄めかしていますが、2015年時点で第2巻は発売されていません。続編があるとしたら、きっと主人公の出生に関わるエピソードが入る予定だったのではないかな、と思います。実は、主人公は天帝の甥ではなく実子だったりして?と私はなんとなく疑っているのですが、真相はどうなのでしょう。



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