sorachinoのブログ

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石原理 『犬の王 GOD OF DOG』 1〜2

舞台はアメリカ。少年院へ収監される実父殺しののアーチャー・ローグ、未成年犯罪課の刑事コーキ・ヨシュア・エノキダ、そんな二人に2千年の歴史を誇る暗殺組織のチャイニーズマフィアのお家騒動が絡むストーリー。

同作者の『カリスマ』の続編とのことですが、あいにく私はそちらは未読のため、たくさんの登場人物を把握するのに苦労しました……。傷だらけの顔の男ジガーとアーチャーの因縁って何?、告解部屋で神父と物騒な裏社会の噂話をしているアイスって何者?、そもそもアーチャーが“猫(エル・ガト)”と呼ばれてストリートキッズ?達に崇拝されてるのは何で?などの謎をいっぱい抱えながら読みましたが、それでも結構楽しめたのはさすが石原さんの作品です。

時折、映画みたいに印象的で格好良いワンシーンが出てくるんですよ。中華マフィアの隠し子の少年月小牧(ユエシャム)の前に、迎えに来た組織のお目付け役一法(イーファ)が初めて現れるシーン(1巻の71ページ)とか、コーキの元上司クインシーが監視対象者とコーキが一緒に店から出てくる場面を見て「どうして」と言う場面(2巻の20〜21ページ)とか。画に関しては、大ゴマもたっぷり使って見せ場は贅沢に描いているし、構図や陰影にも工夫しているのが紙面から伝わってくるので見応えがあります。

ただし、その分ストーリーの進みは遅い気がしますね。2巻使ってもまだ序章なような印象を受けてしまいます。この風呂敷の広げ方だと、最終巻までたどり着くには結構時間がかかりそうです。次巻ではアーチャーとコーキは再会できるんでしょうか?この主役二人がまだ顔を合わせるところまで行っていないので、2巻では精神科医のフォブスと美青年へファイスティオンの小さなエピソードに萌えました。



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