志水ゆき 『レシピ』
- 作者: 志水ゆき
- 出版社/メーカー: ビブロス
- 発売日: 2004/08/10
- メディア: コミック
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- 受け:市原洸
- 攻め:カイヤ
この単行本には、3組のカップルのお話が収録されています。
- 表題作の『レシピ』とその後日談『デコレーション』は元モデルでカフェオーナーのカイヤ×学生の市原洸。
- 『死んでもいい』は洸の叔父で陶芸が専門の学生・有仁×その恋人の潤一。
- 『ぼくのすきなおじさん』『ぼくの大すきなおじさん』は産科医の春原蓮爾×洸の同級生の春原さとる
表題作のカップルがツボでした。
好きなところ
攻めが良い腹黒キャラ
表題作は、1ページ目にして「男だけどキレイで、カイヤはいつも甘い匂いがするんだ」と年上のお兄さんカイヤにベタ惚れな受けの洸の姿が描かれていますが、このお話の攻めはなかなか凄いキャラなのでした。怖いのです。一見優しくて綺麗なお兄さんなのですが、腹の中は真っ黒。自分だって洸が好きなくせにわざと洸を突き放したり、女“トモダチ”(男“トモダチ”もいましたが)との随分生々しい場面を見せつけたり、洸から告白させて邪悪な(笑)笑みを浮かべたり、やることなすこと容赦無くえげつない。さらに洸のあんなところにピアスしちゃっており、学生相手だというのに明らかにやり過ぎかと。洸は一発くらい殴っても許されるのでは、と思うくらいのキャラです。
しかし、こんな攻めの腹黒さと悪党っぷりには読んでいて憤ったのも確かだけれど、その一方で萌えてしまったというのもまた事実でして。う〜ん、なんか悔しいですが(笑)。最後まで手ぬるいことをしなかったカイヤの鬼畜攻めっぷりは、もはやアッパレとしか言えません。
ただ、洸に執着しているのはよく伝わってくるけれど、いつ何がきっかけで洸に惚れたんでしょうね?そこらへんはもっと描写してほしかったですが。
『デコレーション』は『レシピ』の続き。195ページの洸の泣き顔がとても可愛い。カイヤの掌の上で転がされている洸は、エスカレートした行為にも応じています。今はまだ、逆にカイヤを振り回すような余裕は無いようです。でもいつかはカイヤに存分に愛されてる実感に浸る日が来て欲しいな。そして洸のことで本気で動揺するカイヤの姿も見てみたい。いや、でも鬼畜で悪党なカイヤには、このまま突っ走って欲しいと思う自分もいることを密かに申告しておきます……。やっぱり悔しいけど萌えてしまった作品でした。
その他
それにしてもカイヤのモデル友達や有仁は洸に冷たく意地の悪い真似をしてますね。特に叔父・甥であるというのに、有仁と洸はなぜあんなに仲が悪いのかわかりません。ちなみに『レシピ』では悪役の有仁ですが、『死んでもいい』では絶倫な受けに振り回されておりちょっとへタレ攻め気味です。攻め以上に絶倫な受けというのは新鮮。
『ぼくのすきなおじさん』は産婦人科医×学生という年の差カップル。ショタものという感じですが、春原の兄達のヤクザっぽい容貌と事務長のキャラがよろしかったです。