かまたきみこ 『ＫＡＴＡＮＡ １ 襲刀』

KATANA (1) 襲刀

家業は刀鍛冶、祖父は人間国宝の刀匠、という家に生まれた男子高校生が主人公の物語です。作る方はからっきしだけど研ぐ方は大得意で、学生ながら日本刀の砥師としての仕事も任されています。しかも人の姿をした刀自身（ツクモガミのようなもの？）が見えるため、刀とコミュニケーションをとることもできる、という設定。基本一話完結型で、人血を求める妖刀を砥ぐことで清めたりなど、剣にまつわるさまざまな問題を主人公が解決していきます。

この設定が非常に面白いです。剣が人の形をとり物言いをする作品ってたまにありますが、私が読んだことあるのは剣士が主人公になる作品（安井健太郎さんのラノベ『ラグナロク』など）ばかりで、作り手や砥ぎ手の立場から刀剣に関わる作品って初めてでした。少女漫画で刀鍛冶とは良い所に目をつけたなぁ。

お侍さん姿の刀たちが主人公に「研いでくだされ」「遊んでくだされ」と懐いているのが微笑ましい。