sorachinoのブログ

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須賀しのぶ 『ブラック・ベルベット 1』

ロキシー、キリ、ファナという三人のタイプの違う女性たちの友情が見所です。戦争で荒廃し犯罪者や賞金首が跋扈する無法地帯、人々は自身の体の機械化を進めている時代。そんな中、主人公とその仲間たちは地域に大きな影響力を持つ横暴な聖職者を倒そうと立ち向かいます。ロキシーが少女小説の主人公にしては珍しくパンクなお姉さんで良かったです。

ただ、この巻の悪役ウォルニー神父は組織からも見捨てられた人物で少々小者臭が漂っています。ストーリーもいかにもシリーズの序章という感じがしました。一方、宗教国家のトップに立つヴァルカーレ総主教は、この巻での登場はごくわずかにもかかわらず黒幕感がハンパありません。シリーズが進むにつれて主人公たちの前に立ち塞がる存在になっていくのではと期待させます。キリの最終目的は宗教国家転覆だそうですが、あの一筋縄ではいかなそうな総主教相手じゃ道は長そうだなぁ。

私はこの一巻しか読んでいませんが、この後数冊の続きがでていたようです。ただし、作者のブログで「数字が出せず、打ち切りになりました。」と明言されていたので、完結は見込めない模様。うーん、残念です。流血女神伝の作者でレーベルの看板作家だった須賀さんといえど、コバルト文庫は結構数字にシビアなんですね。

それにしても表紙のキリの絵、葉月里緒奈にすごく似ている気がしません?