ナリーニ・シン 『青の瞳をもつ天使』
- 作者: ナリーニシン,Nalini Singh,石原未奈子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/03/05
- メディア: 文庫
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ヒーローは大天使、ヒロインはヴァンパイア・ハンターの、ニューヨークはマンハッタンが舞台の現代ファンタジーロマンスでした。
今まで読んだロマンス小説のファンタジーものは趣味に合うものが少なくて、途中で読むのをやめた作品も結構あったのですが、この作品は長さのわりにすんなり読めました。
設定がユニークで面白かったです。この世界において、吸血鬼は天使によって吸血鬼に生まれ変わり、永久の命を得ます。その代償として百年間天使の手足となり働く契約を交わすのですが、中には百年経っていないのに天使の下を逃げ出す吸血鬼もいます。そんな契約違反した吸血鬼を捕獲し、天使の下へ送り返すのがヴァンパイア・ハンターの仕事です。吸血鬼も天使も古今東西のファンジー作品で使い古されたネタだけれど、本作では面白く料理してます。まぁ、いくら超人的な能力を持っている人物たちとはいえ、単なる人間のヴァンパイア・ハンターよりも、天使の配下の天使や吸血鬼に逃亡犯の捕獲をさせた方がいいんじゃいの?と思わないでもないですが……。
お気に入りのキャラはヒーローの側近である吸血鬼のドミトリです。百年の契約期間が切れた後もずっと主人に忠誠を誓って傍にいるドミトリと、その主人であるヒーローの天使の関係には、BL好きとしてつい萌えてしまいました。
ところでこの作家さん、著者紹介によると日本で英語教師をした経歴があるそうな。そのせいか、豪奢な部屋の壁に日本の鬼の面がかけてあったり、例えとしてゲイシャをあげる台詞があったりなど、数箇所だけ日本に関連するものが作中で出てきていました。