sorachinoのブログ

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桑原水菜 『真皓き残響  琵琶島姫』

炎の蜃気楼(ミラージュ) 邂逅編 真皓(ましろ)き残響 琵琶島姫 (コバルト文庫)

炎の蜃気楼(ミラージュ) 邂逅編 真皓(ましろ)き残響 琵琶島姫 (コバルト文庫)

炎の蜃気楼邂逅編の第5弾です。生前は上杉謙信の養子であった上杉景虎が死後に他人の身体に乗り移り、同じく甦った直江信綱などの仲間とともに怨霊退治をしていくというストーリー。今回の退治するべき怨霊は、‘景虎’を憎悪する女性の怨霊でした。‘女性’がテーマだったのか、景虎や勝長の女装シーンがあり、わりとコメディ寄りなシーンも多かったですね。

景虎と直江は、お互いに意識しあっている胸中が要所要所で描かれています。とはいえ、別行動をとっている時間が長く接触自体が少ないし、邂逅編第1弾の『夜叉誕生』や第2弾の『妖刀乱舞』などに比べるとこの巻では二人の感情のぶつかりあいが乏しいのも確か。大分主従らしくなってきたのは良いけれど、もっと火花を散らすようなやり取りだとか傷口をえぐり合うようなシリアスなシーンも見たかったかも……。惹かれつつ反目しあってる複雑な関係の二人にはとても萌えましたので。

ちなみに、戦国時代の越後が舞台だけに、柏崎、八海山、鯨波、などの地名がたくさん出てきます。新潟にルーツのある身なので、思わず新潟県の地図を見ながら読んでしまいました。