sorachinoのブログ

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谷崎泉 『ドロシーの指輪』

ドロシーの指輪 (シャレード文庫)

ドロシーの指輪 (シャレード文庫)


メインカップルは元贋作画家の骨董商×守銭奴の銀行員。この二人を中心に、キャラの立っている個性的な登場人物がたくさん出てきます。借金取り、公安、画商、没落した旧家の美貌の令息、など。この数多くのキャラクターたちの中に、がめつかったり、たかり屋体質だったりと、お金に汚いキャラが結構いるのがこのお話のユニークなところです。なにしろ受からして相当な守銭奴ですし、主人公の攻め自身も昔からの幼馴染を財布扱いしてますし。お金や高価な美術品を手に入れようと登場人物たちは各々が利己的に動くため、互いに騙し騙され裏切り裏切られのオンパレードで、事態はどんどん複雑に。こういうコメディ寄りのドタバタ劇っぷりこそが、この作品の楽しみ方のポイントなんだと思います。
正直、あまり万人受けする内容ではなく、どちらかというと読む人を選ぶ本かなと思いました。あまりのドタバタっぷりについていけない人は多いかもと感じたので。

恋愛面では、メインの2人の仲はまだまだ発展途上です。むしろ、攻めと没落した旧家の令息との絡みの方が、なんか色気を感じたかも。