sorachinoのブログ

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小林典雅 『嘘と誤解は恋のせい』

嘘と誤解は恋のせい (白泉社花丸文庫)

嘘と誤解は恋のせい (白泉社花丸文庫)

隣に住むサラリーマンに恋をした内気な大学生。なんとかサラリーマンに近づきその好みのタイプを知ろうと、大学の授業の一環でと嘘をつきアンケートを頼む……、というお話。コメディです。確かに、奇抜な質問のアンケートに驚くサラリーマンの反応とか可笑しくて読んでいると思わず笑ってしまうと思います。小林典雅さんは不思議な持ち味の作家さんですね。ただ、お話の世界の中だから笑っていられるけど、偽のアンケートをダシに隣人のことをいろいろ(趣味などの無難なものから、家族構成やセクシュアリティに関するようなセンシティブなものまで)聞き出すという行為は現実でやるとかなりえげつない行為だよなー。

受けのことなどほとんど意識していなかったサラリーマンが、彼と接触するうちになにやら恋心が芽生えてくる展開はとても良かったと思います。

そして、小椋ムクさんのイラストが凄く合ってました。本作の主要登場人物は主人公の大学生と、隣家のサラリーマンと、主人公の相談相手でいろいろな入知恵をする劇団員という3人なのですが、そのどれもがイメージぴったり。