夢花李 『天狗神』
- 作者: 夢花李
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/04/20
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 27回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
1冊の単行本の中に、二つの時間軸でのストーリーが収録されています。
一つは、日本列島が東西に分かれ東国と西国で対立をしている近未来を舞台に、水雲と東雲という双子の14歳の少年たちが神々の戦いに巻き込まれていく、という本編。もう一つは、とある山間の貧しい土地を治める領主の三男である前世(?)の水雲と彼が仕えることになった天狗の頓鈍坊の交流を描いた『残桜詠』前後編。
どちらかというと近未来の本編より過去を描いた『残桜詠』の方が好みだったなぁと思います。起承転結もはっきりしてるし、‘天狗は主として選んだ人間のからだの一部を奪い、転生した主を見つけるための目印とする’という設定に絡んだストーリーになっているし。夢花李さんの絵ってシャープで無機質な印象を持っていたので現代ものとかSF的なものの方が似合うのかなと勝手に思っていたのですが、『残桜詠』の江戸時代を彷彿とさせる和風ファンタジーの世界にもとてもよく合っていました。
ちなみに、本編の方は東西日本の対立やら神々の対立やら舞台はとても壮大なのに、尻切れトンボで終わっているので続きが気になります。でも、本作が2007年に発売されてから既に5年以上経ってますので残念ながら2巻が出る望みは薄いのかなー。