sorachinoのブログ

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三川みり 『銀砂糖師と黒の妖精』 『銀砂糖師と青の公爵』


無性に乙女チックなものを読みたくなり、『シュガーアップル・フェアリーテイル』シリーズの1巻目と2巻目を買いました。さすがにこの歳になってビーンズ文庫ってのもちょっと気恥ずかしくもありますが、まぁたまにはいいかなと。三川みりさんの作品を読むのは初めてです。主人公の少女が幸運を呼ぶ特別な砂糖菓子を作る最高の菓子職人・銀砂糖師を目指す、という設定に惹かれました。「銀砂糖師」って綺麗な言葉ですよね。美貌のヒーローや妖精も出てくるし、まさしくザ・少女小説、という感じです。

ただし、そこに出てくるキャラクターはわりとシビアだったりして、作品の雰囲気は甘い一辺倒ではありませんでした。『黒の妖精』で最初主人公アンが使役する妖精シャルに友情を求める偽善や、ジョナスの繰り返し他人を陥れようとするどうしようもない卑劣さ、『青の公爵』で見せた王国の火種を葬ろうとするダウニング伯爵の冷酷さ、などは結構印象的です。

2巻目の『銀砂糖師と青の公爵』では、アンとシャルの恋愛面での進歩が見られ微笑ましかったです。