sorachinoのブログ

BLやラノベ、少女漫画、ロマンス小説等の読書感想ブログ。お気に入り作品には★タグをつけています。どちらかと言うと新刊より古い作品に言及することが多いかも。ネタバレ多数。コメント大歓迎です。

オノナツメ 『さらい屋五葉』 第一集〜第二集

さらい屋五葉 第1集 (IKKI COMICS)

さらい屋五葉 第1集 (IKKI COMICS)

さらい屋五葉 第2集 (IKKI COMICS)

さらい屋五葉 第2集 (IKKI COMICS)


舞台は江戸、腕は立つのに気弱な性格が災いして藩主に暇を出された武士が主人公の漫画です。ひょんなことから江戸の町で出会った人さらい一味に手を貸すに至り、というストーリー。

陰影のはっきりした表紙のカラー絵もスタイリッシュで格好いいし、オノ・ナツメさんの描く江戸の町の様子もまるで時代劇の世界のようで雰囲気があって素敵です。キャラクターとしては、一味を率いる弥一や、ご隠居と呼ばれる一味の支援者などが特に良かったです。特にご隠居は主要キャラの中で一番の高齢者でありながら、2巻でその男前っぷりを存分に見せつけております。

一方で、主人公の気弱な武士は、うーんちょっと微妙かも…。まぁ、まだ2巻までしか読んでないので狂言回しに徹している地味なキャラクターという印象が強いですし、今後の巻で彼の抱える問題が詳しくストーリーに絡んで来れば魅力的な面を発見していくことになるのかもしれませんが。ただ、現時点では‘悪事は嫌だけど、お金が要るし一味が魅力的で一緒にいると心地よいから’という曖昧さでずるずると人さらいに手を貸していく流れが、主体性がないにも程があるでしょ〜!とちょっとイラッとしてしまったんですよね……。子供を誘拐して親を脅して身代金を巻き上げるって私は本当に悪辣な犯罪だと思ってるんで、いくら創作物の中のことといえどほとんど罪悪感なくそれを行う主人公側に愛着を覚えるのはちょっと難しかったみたいです。

弥一の正体と五葉を立ち上げた目的、松吉の首にかけられた守り袋、おたけさんの過去、主人公政之助の郷里の家族、意味ありげに登場した侍八木の素性、などたくさんの伏線が2巻までに引かれています。弥一は本当に謎の多い男で、いろいろとその経歴が気になりますね。

私は2巻までしか読んでいませんが、その後本作は最終巻の8巻まで単行本が発売されており、2010年にはアニメ化もされていたそうです。さらに、ご隠居の若い頃を描いた『ふたがしら』というスピンオフ作品を発売され、世界観が広がっている模様。若きご隠居か……ちょっと読んでみたいかも。