鳴子ハナハル 『かみちゅ! 1』
- 作者: 鳴子ハナハル,ベサメムーチョ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/01/27
- メディア: コミック
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舞台は広島県の尾道、主人公はある日突然神様になってしまった普通の中学生の女の子。彼女とその友人たちが経験する様々な事件が描かれる青年漫画でした。地方ののんびりとした作中の雰囲気は良かったですし、地元密着型の神様が周囲の人の願い事を叶えていくという設定はツボでした。
以前尾道に旅行したことがあるのですが、そのときの山の上の千光寺公園から見た景色がとても素晴らしかったので、尾道を舞台にした漫画と聞きつい買ってしまいました。表紙の尾道水道を挟んで広がる街並みの様子だとか、作中の坂道やフェリー乗り場のシーンなどを見ていると、なんか懐かしくなってきます。こういう舞台を明確にしているご当地漫画ってあんまり読んだことないんですが、忠実に風景を再現しているので訪れたことのある土地だとより一層面白く感じる気がしますね。まして地元の方ならもっと面白く感じることでしょう。
私は小さい頃から『りぼん』や『ちゃお』などの少女漫画とBL漫画で育ってきて女性漫画家によって描かれる女性読者の多い漫画文化には馴染みがあるのですが、少年漫画や青年漫画はほとんど読んだことがありません。そのせいか、この『かみちゅ!』にはなんだか妙に男性の作り手の影を感じました。特にゆりえの言動や、彼女を描くあざといアングル、光恵のキャラクターなどに。こういう感覚ってなんだか新鮮で、良い意味でも悪い意味でも「男性ってこういう風に女の子を描くんだなぁ」と興味深かったです。
何気なく描かれていたワンピース姿のゆりえが愛らしかったなー。