sorachinoのブログ

BLやラノベ、少女漫画、ロマンス小説等の読書感想ブログ。お気に入り作品には★タグをつけています。どちらかと言うと新刊より古い作品に言及することが多いかも。ネタバレ多数。コメント大歓迎です。

オノ・ナツメ 『リストランテ・パラディーゾ』

太田出版、2006。

主人公:ニコレッタ

リストランテ・パラディーゾ (f×COMICS)

リストランテ・パラディーゾ (f×COMICS)


レストランを舞台にした映画やドラマって、大好きです。美味しい食べ物が登場するので視覚的にも楽しく、さらに職場の濃い人間関係が繰り広げられる様子が描かれているのもいい。三谷幸喜さん脚本のドラマ『王様のレストラン』とか大好きだったなぁ。

というわけで、イタリアはローマのレストランを舞台に、そこで働く人々の恋模様を描いているオノ・ナツメさんの少女漫画『リストランテ・パラディーゾ』を読了しました。ちなみにBL的要素は無し。恋愛描写はありますが登場するのはヘテロのカップルです。

【年配の色気】

年配の色気を描いていたということにただひたすらびっくりしました。
例えば、主人公の若い女性ニコレッタの恋のお相手である給仕長のクラウディオ。彼は老眼鏡をかけた物腰の穏やかで優しい老紳士です。ちょっと老けてるというレベルではなく、ホントに老人として描かれているのです。目じりや口元に皺があるし、。なのに驚くほどに色っぽい。「困ります…」のコマには、何だこの色気は!と言いたくなりました。確かに21歳の若い女の子が血迷ってもおかしくないほど魅力的なのです。

【思い切った年の差】

結局ラストでも2人の仲は決まらないわけですが、できればくっついて欲しいなぁ。素敵な恋人同士になりそうですから。もちろんクラウディオが孫ほどの年齢のニコレッタの求愛にそうそう応えるわけにもいかないという事情も分かるんですけどね。

そういえば池波正太郎さんの『剣客商売』も小兵衛とおはるは仲睦まじい夫婦だけれど年の差は40もあるんでしたね。小兵衛が中年男性の理想や願望を反映して若い女の子を嫁に迎えている一方、おそらく若い女性であると思われる著者オノ・ナツメさんがこのように若い女性と老人男性との恋愛を描いていると言うのは面白いです。

【ジジのエピソード】

クラウディオの他にも素敵な老眼鏡紳士は多数登場します。その中の一人、ジジの恋心も切ないです。運命の皮肉と言うべきか、歴史は繰り返すと言うべきか。ニコレッタの出生に勘づいていた件でも示されているように、ジジと同じく人のことを良く見ている聡い人物のようですから、弟のオーナーはジジの気持ちを知っていそうだなと思いました。三角関係であると自覚しながらも父親達のようにいがみ合う訳ではなく、長年職場を同じくし兄弟仲は良い、と。うーん、なんだかいがみ合うよりキツイ状況な気もしますが、この兄弟はこれで良いのでしょう。
このジジのエピソードが一番印象深かったです。

【その他】

  • 絵は独特なタッチで、お洒落な漫画、という印象。ただしクセのある絵なので合わない人は合わないかもしれません。
  • この作品、アニメで見てみたいなーなどと考えました。以前少しだけ『ベルヴィル・ランデブー』というフランスのアニメ映画を見たことがあるんですが、あんな感じで映像化したらオノ・ナツメさんの絵柄を保持出来て結構いいアニメになるんじゃないかなと思います。などと考えていたら、マジでアニメ化されていたんですね。残念ながらそのアニメを見たことは無いんですが、いやーびっくりだわ。
  • ただ、出会ってから数回しか会ってないのに押し倒すとはニコレッタも大胆というか無謀というか無礼というか。私は、女性が男性に積極的に迫る図というのは大好きですが、部屋に連れ込んでいきなり押し倒そうとするなんてそりゃ駄目でしょ〜!

【まとめ】

老紳士萌え、眼鏡萌えの一冊でした。