檜原まり子 『マリンブルーは密やかに』
船旅っていいですよねー。海ってただ眺めてるだけでも気持ちが落ち着くし、ロマンがあるし。人と船が行き交う港も素敵なスポットです。『船』『海』『港』がキーワードとなっているBL本はつい手にとってしまいます。
マリンブルーは密やかに (講談社X文庫ホワイトハート(BL))
- 作者: 檜原まり子,桜遼
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/09/03
- メディア: 文庫
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乗船客同士ではなく、華やかなクルーズを支えるスタッフ同士のカップルという点に惹かれて購入しました。日本人医師の母と在日韓国人で寿司職人の父との間にカリフォルニアで生まれ日米韓という三カ国のバックグラウンドを持つ受け、警務官として働いていた経験を生かし除隊後は探偵になった元自衛官の攻め、などそれぞれの経歴はBL界では結構珍しいし面白いなあと思います。ただ、面白い設定を活かしきれてないように感じました。
それに、ミステリー仕立てにしては、肝心の事件の調査方法、解決への経緯について説明不足な気がする……。やっぱりこれは『マリンブルーは密やかに』という本自体がシリーズ物の番外編であるせいなのでしょうかね? 読み始めてから知りましたが、船長×船医カップルの本編で描かれた事件を、本作にて別視点から書いているのだそうです。
ちなみに船長×船医のイチャイチャを第三者として眺めるシーンは多いので、本編のカップルがお好きな方は楽しめると思います。反面、巻末の書き下ろし短編の攻めのワンコっぷりが微笑ましかっただけに、もっと主人公カップルのイチャイチャが読みたかったな。
今回初めて檜原まり子さんの本を買いましたが、言い回しや文章が翻訳文っぽいなという印象を受けました。