sorachinoのブログ

BLやラノベ、少女漫画、ロマンス小説、ミステリ小説、アニメ、ドラマ等のジャンルごった煮読書感想ブログ。お気に入り作品には★タグをつけています。ネタバレ多数、ご注意ください。コメント大歓迎です。不定期更新。

BL漫画

今市子 『萌えの死角』2

BLに関して著者が見聞きした経験や萌えについてなどが大部分を占めています。ですが、個人的にはBL部分についてよりも登山について描かれていた部分の方が面白かったです。そういえば今さんのBL漫画『楽園まであともうちょっと』でもあとがきで山登り…

藤たまき 『私小説』

この漫画は、文章という世界で垣間見えた人の側面に感動した、そんな藤さんの経験が描かせたお話だそうです。書くことの快楽を語る教師が登場するのですが、非常に共感できる台詞を言っていました。「一見つまらなく見えるかもしれないけど……。文字を書くと…

藤たまき 『銀のバッチ』『約束』

この作品の何が圧巻かって、リリカルなモノローグの凄さ。キャラクターたちの繊細な心の動きを丹念にたどっており、とても引き込まれます。読んでいるとちょっと気恥ずかしくなるくらいの言い回しが多いのですが、きっとハマる人はハマると思います。基本、…

秀良子 『年々彩々』

私は『小向家の事情』が一番好みでした。男子小学生が自分の家庭の特異性に悶々とする話なのですが、淡々とした中にも味わい深さがあります。世の中、こんな形の家族もいるかもなーとなんとなく思いました。

あそう瑞穂 『薔薇色エンペラー』

この単行本には『キスしてMASTER』という短篇漫画も収録されています。本当はメイド型アンドロイドを注文したつもりだったのに、間違えてヒモ型アンドロイドを注文してしまった日本史教師と、ヒモ型アンドロイドのお話。表題作の『薔薇色エンペラー』…

ヨネダコウ 『どうしても触れたくない』『それでも、やさしい恋をする』

どちらかといえば私は『それでも、やさしい恋をする』の方がより好みでした。派手な事件は起こらなくても、描写が繊細なのでとても読ませるんですよ。 先に相手に恋をしたのは受けなのですが、彼の片思いが健気で泣かせます。受けはモテるタイプで恋愛事の経…

サクラサクヤ 『お稲荷さまのハニーバニー』 全3巻

人間に化けて男子高校生として暮らす野ウサギが主人公の作品。主人公の肉厚なウサミミにときめいて以来単行本で集めていました。 単に狐耳とウサミミのキャラがいちゃいちゃして終わるのではなく、もっとスケールの大きな話へと持っていこうとした点に作家さ…

イシノアヤ 『椿びより』

主人公と平岩父娘はまるで家族のように時間を過ごすようになるのですが、父娘の椿くんの受け入れっぷりも少し浮世離れしていて興味深い。椿くんの平岩への恋心は芽吹きつつあるものの、二人の関係は結局恋愛未満で終わっているので恋人同士という訳でもない…

トウテムポール 『東京心中』 全2巻

長身の年下ワンコ攻めが、上司のディレクターに懐いて恋して告白して押し倒して振られてもめげずに何度もアタック、ついに受けも絆されて……というお話でした。受けに振り回されつつ、恋に身悶えジタバタする攻めの姿が可愛らしく描かれており、ヘタレ攻め好…

水上シン 『利火羅』

『利火羅』は、短編ながら“蛮族”の捕虜、簒奪、父子間の対立、正室腹と側室腹の異母兄弟の確執など、ドラマチックなエピソードが多く詰め込まれています。一冊くらいかけて丁寧にストーリーを描いて欲しかったと思わないでもないのですが、短編だからこそ怒…

えすとえむ 『やがて、藍になる』

藍染職人同士という珍しいお話でした。よくこんな渋い題材に目をつけたなと思ったら、後書きによれば作者の母親が染色家で幼少時より染めることは身近だったそうな。藍染工房へ取材にも行ってこの作品を描いたそうです。 >> じいちゃんの手は、しわというし…

大和名瀬 『最恐教師 〜教師もいろいろあるわけで〜』

攻めのキャラが良くも悪くも独特です。喜怒哀楽を怒で表すことが多い性質なので、口説いてるときもムラムラしてるときもガンを飛ばしてるような顔ばかり。しかも、過去、相当やんちゃをしていたため体に結構切り傷があるという秘密持ち。一見小学校の先生に…

富士山ひょうた 『その手の熱を重ねて』 全2巻

イタリアンシェフ×若手陶芸家。料理人と常連客というところからスタートし、2巻かけてゆっくり進展させていく恋のお話でした。もともと受けも攻めも自認はへテロだったのに、時間はかかっても自分の気持ちに気付いてからは案外相手に素直になれています。そ…

峰島なわこ 『海とヘビースモーカー』

故郷から逃げるように上京してきた若い主人公の元に、幼馴染が転がり込んできて、その後ひょんなことから二人で地元へ帰省することになる『蜜柑の海』が一番好みでした。明るくて元気な受けと男前だけど無口な攻めという組み合わせは良いし、攻めが蜜柑農家…

大竹直子 『源平紅雪綺譚』

表紙、すごく魅力的ですよね。和を感じさせる抑えた繊細な色使い、鎧や装束の模様も精緻で、歴史物の雰囲気をよく伝えています。源義経と平敦盛のお話である表題作の『源平紅雪綺譚』を中心にいくつかの源平物の短編などが収録されていました。この本の中で…

山中ヒコ 『ギブズ』

目覚めたら記憶喪失になっていた主人公。傍らには恋人だと主張するスーツ姿のヤクザの男がいて、命を狙われているから部屋の外に出るなと言われるが……、というストーリーでした。最初、なぜかタイトルを『ギプス』だと勘違いしてました。殺されかけて傷だら…

木下けい子 『召し上がれ愛を』

真面目で堅物の受けが、攻めに甘く迫られてほだされる話でした。攻めはめげずに受けにアプローチを何回もかけてて凄いな。料理人と官僚という組み合わせは面白いなぁと思います。二人の共通点といえば、同じマンションに住む隣人同士であること、同世代であ…

富士山ひょうた 『不測ノ恋情 1』

デザイナー×編集長。仕事相手として出あった二人が、夜の新宿二丁目でばったり再会し……という話。マイペースな攻めが積極的に受けに迫っているんですが、受けの反応は冷ややかで、一応付き合うことになってからもあんまり甘い雰囲気は漂っておりません。お互…

唯月一 『王朝春宵ロマンセ 全3巻』

秋月こおさん原作のBL小説を、唯月一さんがコミカライズしたもの。舞台は平安時代、在原業平や小野篁らが朝廷に仕えていた頃。唯月一さんの絵が良いですね。まず、千寿の容姿がとても可愛いらしい. 2巻の加茂の祭のシーンの、頭に葵の葉を乗せた童水干(…

山中ヒコ 『エンドゲーム 全2巻』

画家である若い養父に恋をする高校生の物語です。BLでは珍しく柔道に打ち込む男子です。主人公は、今の安定した親子関係を壊したくないから想いを告げられないという恋愛面での葛藤と、亡くなった実母を殺したのが養父だったかもしれないという疑いを抱え…

鳥人ヒロミ 『彩おとこ』 第1〜3巻

大正時代、男性はまだまだ「美」よりも「力」を求められていた時代。そんな中、浅草六区に男物専門の呉服屋を開いた兄弟を中心に物語が進んでいきます。その店で扱っている品物は、兄の蘇芳自らデザインしており、柄や色が華美で従来の男物の着物とはかなり…

山中ヒコ 『500年の営み』

アンドロイド物というと、BLに限らずあらゆるジャンルで「死んだ恋人」に似せたアンドロイドが出てくるという定番の展開がありますよね。この作品も基本はその路線なのですが、そこに一捻り加えてあるのが面白かったです。主人公を一途に待ち続ける健気な…

砂糖須釜 『ブルゴーニュの王子様』

メインキャラが働くカフェの名前がブルゴーニュ。表題作は店長(元ホスト)×厨房担当、もう一つは厨房バイトの大学生×ホールバイトの大学生です。ちなみに店長と厨房のバイトは兄弟という間柄。それにしても、表題作の攻めは付き合いだす前の言動がナチュラ…

ヤスエイ 『おいしいパスタの召し上がり方』

イタリアンレストランを舞台に、ホールバイト×ホールチーフ、シェフ×新人ホールバイトという2組のカップルができあがる漫画です。想わぬ人に恋をしてしまって戸惑ったり、ライバルの出現で嫉妬したりと、ラブストーリーとしては王道の展開が繰り広げられて…

青井秋 『ステラリウム』

夜空に輝く星の製造工場で働く男性が、零した涙から生まれた少年を育てるうちに心を通わせ――――というファンタジックな設定に惹かれて買ってみました。この表題作は、切なさと透き通るような雰囲気が印象的でした。登場人物の落ち着いた性格もあるでしょうし…

国枝彩香 『50×50』

ヘテロの女好きを自認する男性二人が、お互い女性にフラれて失恋するたびに酒の勢い等でなぜか寝てしまうというギャグテイストのお話でした。翌朝、我に返って気まずくなるのが様式美のオチに。 この巻では体の関係だけが先行し、恋愛感情は萌芽の兆しがかろ…

志水ゆき 『花鳥風月』 1巻

今回は珍しくも緑豊かな田舎が舞台。主人公が農道脇の野菜販売所で店番したりする場面があります。 少年漫画界では『銀の匙』がアニメ化され盛り上がってますが、BL業界でも農業モノブームがくるんだろうか……。 志水さんお得意の複数カップル同時進行の作…

basso 『ナカさんの流れ』

表題作はラーメン店の店主と、常連客の会社員のカップルのお話。男二人で温泉につかって日本全国ラーメンスポットを食べ歩くのをライフワークにする、それってなんかいいなぁ。きっととても幸せだろうなぁ。こんなラーメン屋さんと恋人が日本のどこかにいて…

雲田はるこ 『いとしの猫っ毛』

小樽から上京してきたサラリーマンの沢田恵一こと恵ちゃん、ポルノ小説家でアパートの管理人の花菱美三郎ことみいくん、この二人は6年越しの恋人同士。特に大きな事件が起きるわけでもなく、2人と周囲の人々の心の機微を繊細に描いたゆるい日常系漫画でし…

あき 『花祭』

この作品の中では、伝統芸能の歌舞音曲を生業とする少年たちは‘花’と呼ばれ、彼らを自らの資力でもって支援する財界人は‘花主’と呼ばれます。芸能者とパトロンたちが繰り広げる悲喜こもごもが描かれる作品であり、モデルは世阿弥と足利義満なのだそうな。花…